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静かでいる [気づき]

 体験しうる達成感を味わうにはどういう条件が揃うことなのでしょうか。私たちが望んでいるわけでもないのに、あらゆる事象を二項対立的に捉えるようになっています。善悪・明暗・貴賤・大小・長短・天国地獄・・・、二つに分かれているのではなく二つに分けているといのが本当かもしれません。「悪」でも極まった極悪があり、極悪からちょっとでもよければ「善」として捉えることもできます。白や黒にも濃淡があって光を反射せずに全てを吸収してしまえば真の「黒」ということになります。「0」と「0.000000001」は全く異なります。ちょっとの違いでも積み重なれば大きな違いということになります。10%の差は同じではありません。100円の10%は10円ですが100億円の10%は10億円となります。基準が異なれば同じ10%ではありません。

 

 「ちょっと」と表現したとしても、「ちょっと」の意味合いは異なります。時速70kmが限界の50ccバイクでは時速69kmからの70kmは限界の「ちょっと」ですが、余裕で時速200km以上だせるバイクにとっては時速69kmから時速70kmは本当に「ちょっと」でしかありません。「ちょっと」の努力も限界に来ている人と余裕のある人の「ちょっと」では異なるということです。
 トップレベルのアスリートが競う大会(=例えばMLBのワールドシリーズ)での優勝と、日本での市内早朝野球大会での優勝とは比べ物にはなりません。全身全霊で打ち込んで勝ち得た勝利と、親交と余暇が目的では達成感に違いがあることは自明のことです。
 時間と労力を費やすせば費やすほど得る満足度や達成感や解放感を味わえるのではないでしょうか。努力に比例して報酬が多いというのは頷けることと思います。困難なことにチャレンジすることで対極にある安楽が訪れるのでしょうか。「空腹は最高の調味料である(Hunger is the best sauce.)」
 4年に1度のワールドカップが終わろうとしています。サッカーエリートの中から選りすぐられ、国を代表して栄冠を勝ち取ろうとしています。大きなプレッシャーと全身全霊をかけてきたことと思われます。持てる力を極限まで出し尽すのですから、最高の達成感を味わうことができるだろうと容易に想像できます。犠牲を払えば払うほど、「ちょっと」のことで大きな満足感が得られます。
 「お釈迦様の苦行」・「キリストの磔刑」・「モーゼの出エジプト」・「香厳撃竹大悟」・映画では「海賊と呼ばれた男」・「沈黙」・「ショーシャンクの空に」・「アバター」・・・・・。必ずと言っていいほど、最強の敵や攻略困難な状況から脱出するという筋書きです。ゲームソフトも困難な状況や敵を倒してステージをクリアして成長していくというストーリーが定番となっています。童話では「シンデレラ」・「みにくい白鳥の子」・「白雪姫」・「桃太郎」・「マッチ売りの少女」・「クリスマスキャロル」・・必ず苦難な家庭・悪役が必要とされています。
 達成感・満足感・解放感・栄光・感動を得るには艱難辛苦・最強の敵というお膳立てが必要となります。

 

頭の中のおしゃべりにちょっかいを出せば出すほど騒ぎ立てます。静観すれば静まるという体験を重ねるほかありません。 「諸行無常 是生滅法 生滅滅已 寂滅為楽」意志の力で寂滅為楽とすることはできず、寂滅為楽であることはできます。寝ようとすれば寝ることはできませんが、何もせずに委ねれば寝ていることができているはずです。苦行を放棄して何もしなかったら自ずと寂滅為楽が訪れていたかもしれません。苦難(=雑音)が大きければ大きいほど「ちょっと」した静寂の偉大さに気づくかもしれません。

 

<まとめ>
・感動的なストーリーには難敵・困難・苦境・努力が背後にあります。困難と栄華は対極ではなく一体。天国と地獄は対極ではなく一体。W杯勝てば天国、負ければ〇〇。米国の大統領の対立候補の名前を知っている人がどれほどいるのでしょうか。
・敵対する相手・困難な環境であればあるほど、すばらしいストーリーになります。
・弱い相手に勝っても達成感は大きくはないかもしれません。井上尚哉対バトラー
・巨悪であれば倒す方が偉大だと感じます。
・対極が遠いほど振り幅が大きくなります。信じていたものが嘘だと気づくと落胆も大きい。〇〇教会、〇〇の科学
・知性で「静かにしよう」とすることはかえって混乱が増幅されます。静観して「静かでいる」しかない。
・静寂(=無)をどこからか持ってくることはできません。得るモノでも掴むものでもありません。

 

<注:勝手な個人的な見解の部分がありますので、鵜呑みにせずに実証実験によって確証することをお願いいたします。引用もしくは酷似表現の場合は、タイトル及びアドレスの明記をお願いいたします。> 

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