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一つのものが別々に見てしまう [気づき]

 今現在、私達が認識している世界があります。あらゆる生命体が個々の感覚器官を通して異なる世界を構築しています。映画館で隣り合わせに坐っていても数十センチずれているだけで異なった環境であり異なった光彩・異なった音の振動を受け取っています。入力情報がほぼ同じであっても記憶・経験・知能・感覚器官・観念・育った環境・・・等によって判断・反応が異なります。

 各々の自己の内にそれぞれの世界があるということに同意できるでしょうか。自身の世界でありながら、状況によって刻々と変わっています。青春時代に聴いた曲であってもTPOによって様々な感覚となります。全く同じ状況が続くということはありません。全てが一期一会の1回きりの瞬間を経験しています。二度とお目にかかれない今が変化変容しながら生滅しているということです。時間の中に我々がいるのではなく、時間を概念として捉えてしまっています。

 こちら側に認識している主体としての”私”がいるのでしょうか。それとも”何か(=絶対主体)”勝手に見聞覚知しているのでしょうか。

 眼前に客体としての対象を認めるようになっています。対象(=客体)によって主体があるはずだというふうに捉える癖があるようです。見る者と見られるモノという分離が生じます。対象に対して意味や価値づけして獲得すべきか逃避すべきかを決めるようになっているのでしょうか。

 このような思考回路を牛耳っている何者かが背後にいるのでしょうか。 生命体である我々は本能的に個体として存続していたい。そのためには危害を加え命を脅かす”他”を認識できなければなりません。また、生命体を維持するために食糧を摂取して生きながらえ、子孫を残すという本能があります。つまり、瞬時に危険や獲物を識別しなくてはなりません。瞬時の判断がなければ生きてはいけないというのが古い脳(=爬虫類脳)に刻まれているからでしょうか。

 

 私達はある程度の距離によって他を認識するようにできています。各生命体の行動範囲と動作スピードによって危険から逃避したり、獲物を捕獲できる距離というものがあります。猛禽類・魚・蜘蛛・蛇・猫・ネズミ・・等々はそれぞれの距離感によって行動して自らの命を守りながら食糧を調達してそれぞれが構築している世界の中で生きています。同じものが目の前にあっても、ある生命体にとっては危険かもしれないしある生命体にとっては餌となるものかもしれません。

・個々の生命体は個々の世界の中で認識して生きているのではないでしょうか。

 

 私達ヒトという生命体は、存在(=対象)から発せられる粒子・振動(=周波数)を感覚器官を通して脳内に世界を構築します。この感受された後に、記憶・経験から最適な判断を下す何らかの主体(=”我”・”私”)がいるかのように思い込んでいます。この主体(=”我”・”私”)としている物理的なモノは全体から分離・孤立しているでしょうか。ある一人の人間という個体からどんどん離れていくとします。一体どの距離までなら一人の人間として対話したりお世話したりできるのでしょうか。100kmも離れていては一人の人間として話すことも触れることもできないので特定された対象ではなくなります。単に存在していると思い込んでいるだけのことになります。次に肉体の内部さらに細胞へ、分子・原子レベルで構築されている地点では、実体としての存在を認めることはできません。素粒子レベルになれば善悪などありません。素粒子の集まりが綺麗も汚いもあるでしょうか。10m先の新聞の記事は読むことが出来ないので記事ではありません。読んでいるときだけ記事となります。

・人は、ある距離感で認識できるものだけが認識されます。認識できないものがあると言われても認識できなければ”無い”ということです。存在は認識によって存在たらしめられる。

 

<考察>

・あらゆるものを対象として見る癖がつているので自己が生じる。自己は獲得・忌避・何もしないという選択をする。常に二元対立的に分けてしまいます。この世界は分断されたものとなり混乱の中で生きていることになります。混乱の中では平安でいられません。

・世界が混乱しているのか、自らが混乱しているのでしょうか。

・一切に善悪のラベルがついていて、そのラベルを見て判断しているのでしょうか。あるきっかけで好物になったり、嫌いになったりするのは対象が変化したのか対象に対する自身が変化したのかどちらでしょうか。

 

 

<注:勝手な個人的な見解の部分がありますので、鵜呑みにせずに実証実験によって確証することをお願いいたします。引用もしくは酷似表現の場合は、タイトル及びアドレスの明記をお願いいたします。>


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