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逢佛殺佛 [気づき]

仏に逢うては仏を殺せ。祖に逢うては祖を殺せ。羅漢に逢うては羅漢を殺せ。父母に逢うては父母を殺せ。親眷に逢うては親眷殺せ。始めて解脱を得ん。

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 過去・未来はただの概念でありどこを探しても出会うことはできません。悩んでいることは、ありもしない過去や未来に振り回されている今を生きていることかもしれません。

 キーワード:今・価値観・固定観念・二元対立・思考・私・自分・我・何とかできる・解決できる・比較・認識・掴める・達成・変化変容・特別・普通・平凡・・・。

 

 たった今が永遠に続いています。たった今起こっていることは、五感で感受されその感受された事象は生滅しているということです。どこかに目を向けるとその光景があり、さっきまで見えていた光景は綺麗サッパリと消え去っています。ついさっきの光景とたった今の光景がダブって見えることはありません。ついさっき聞こえていた音とたった今聞こえている音がダブることもありません。ついさっきまで思っていたこととたった今思っていることがダブることもありません。自分の中で感受された直前の出来事は綺麗サッパリこの世から消え去っています。どこを探してもありません。

 私が見ているのではなく目を向ければ勝手に見えています。私が思っているんではなく勝手に思いがわき起こってきています。厄介なことに、同じ場所で同じ光景を見れば同じ光景が見えますが、各人の思いは異なっています。そこでその思いが自分固有の自分のものであると勘違いしてしまいます。

 

 ”私・自分”というのは考えることで出現させているだけで、考えの中にあります。この思考で出現させている”私・自分”は勝手な固定観念・価値観を持った主体として働いています。

 成長するに従い自らの固定観念・価値観の牢獄(=有為の奥山)の中に安住することになっています。

 知らないこと・知りえないことを知っている人。分からないことを分かっている人は、思考を超えた人であるということになってしまいます。なんでもかんでも思考で捉えたり掴んだり解決できるとして教え込まれていることが原因かもしれません。思考しても答えにたどり着けないことは思考を超えているという表現になってしまいます。

 冷たい感覚を説明して下さいと言われても説明することはできません。(冷暖自知)言葉を羅列して物事の本質に触れることができるというのは思考が作り上げた幻想かもしれません。言葉は実物の影のようなものであって、影をいくら集めても実物にはなりません。

 

 さあ”仏”という手の届かない概念に出会うと、言葉を使った思考では捉えることができないので素晴らしいとかすごいということになります。先人や親戚の人の経験も想像するだけで理解することができません。分からないことは畏敬の念として分からないままとなります。

 この世に特別なことはなく一様なのですが、特別として見たり気になることだけがあるかのように感じられます。(猫に小判)ワンちゃんには匂いが気になりますが、人間にはさほど気になりません。オリンピックでは、自国の選手は気になりますが他国の選手はあまり気になりません。様々な思いが勝手に浮かんでくるのですが、気にしだすと取り扱わう癖があります。思考に色・香り・味などありません。

 訳のわからない概念を追いかけるのを止めてみます。何でも無い”素”の事実だけを観察します。今を今のままに受け入れる。何のことはない、あるようにあるだけ。”達成しよう”とする気持ちを脇にやってしまい、”達成”なんて問題しなければどうなるでしょう。今のままの自分に寛ぐ。

 自分周りには、未知でありとてつもない何者(=仏)やら身近に年長の人生の経験者である親族がいます。知らないことを知っているとか、未経験のことを経験しているとか様々なことを考えても何も変わりません。

 知りえないことを知っているのが素晴らしいという価値観を根こそぎ消してしまうとどうなるでしょうか。知らないままに今に委ねてみる。探求なんて二の次にして”ありのまま”の今を味わい尽くす。何も求めてず囚われのない今に落ち着くことができるかもしれません。何者にもなれない・何も達成しない・何も掴めない・何も得ない「なんでもない」平凡そのままであれば”私”の出番は無くなります。

 

<注:勝手な個人的な見解の部分がありますので、鵜呑みにせずに実証実験によって確証することをお願いいたします。引用もしくは酷似表現の場合は、タイトル及びアドレスの明記をお願いいたします。>


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