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無明−3 [無明]

「趙州洗鉢」 新米の修行僧が 「私は道場に入ったばかりのものですが 悟りの極意をお示しください」と 和尚に 問いかけました。 趙州和尚は 「おまえさんは朝のお粥を食べたかね」と問われ 修行僧は 「はい」 と答えました。 趙州和尚は 「それでは、その鉢を洗っておきなさい」 と言われました。 そこで 修行僧は はたっと気づいた


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 人間の習性として、 何かになろう。何かを達成しよう。 何かを得よう。何でも知っておこう。 何でも意味があるはずだ。何か価値があるはずだ。 危険を回避しよう。楽に生きていこう。 何かと一体になろう。何かを掴み取ろう。 何かの状態を体験しよう。 何らかの状態でいたい。 煩うことが無くなる方法を会得しよう。 平安でいられる方法を会得しよう。 誰かに教えを受けて知識で楽になれるようにしよう。 身体は「ワタシ」なのでコントロールできるはずだ。 苦から逃れる方法があるはずだ。

   これらすべてが「自分かわいい」という当たり前の心のはたらきです。 この心の働きによって探究心が起こって哲学や倫理学や宗教などへと心が駆り立てられています。 全てが自ら勝手に作った「こうあるべき」という観念によって起こっていることに気づかなければなりません。 この観念は、すべてが上記の裏返しによって起こっていることです。 今は何者かではない。今は何かに達成していない。 今は何かを得ていない。ワタシは無知である。 意味を探せば見つかる。価値を探せば見つかる。 身の危険がある。病気が怖い。楽に生きていない。 対象と自己があり、分離している。今は掴んでいない=掴めるはずだ。 今は真理を体験できていない。 何らかの状態でない。常に煩わしい。平安でない。 今の知識では満たされていない。身体をコントロールできていない。 苦からは逃れられない。


 全ての「こうありたい」は自らが勝手に作り出した妄想でしかありません。今ここで展開されていることが全てであり真実なのに、あちこち探し回りもがいているのが現状です。

 一日の始まりは朝食です、新しい人生(=目覚めた人生)の始まりも当たり前の朝食から始まります。仏法を求道する修行僧の朝食は、上記に列挙している「知りたい・掴みたい」という当たり前の渇望でした。

 「朝食を食べたか?」と聞かれたのは、修行者としての菩提心や知識はすでにあるのですか?ということかもしれません。

 食べて消化したら、粥など跡形もなく消え去っています。同様に知識などは何の役にも立ちません。  粥はどこを探しても見つかりません。口の中で粉々になり食道を通って胃の中に運ばれ消化され腸へと進み栄養となり血に混ざり体中に運ばれ、身体を動かすエネルギーとなります。エネルギーは身体を動かし、脳の働きで使われ、呼吸によって体外に出て自然界にまた戻っていきます。自然の循環の中であらゆる形に変化してどこかで何らかの作用(=縁)となっています。

 そんなもの(=知識)は鉢(=頭)から綺麗さっぱり洗い流しなさい。すっからかんの空っぽにして、やるべきことを淡々とやっていれば問題などありません。問題(=仏はどこだ、真理とは)を作っている自分自身が一番の問題です

 仏法を知るのではなく、仏法そのものとなって生きていく。生きていることがそのまま仏法そのもの。  よく「気づいた」とありますが、何かを得たとか何かの境地になったのではなく、自らの「愚かさ・妄想=眠り」に気づいて普通に(=目覚めた)なったということです。悟る=詐とる。

 自らの作ってきた「こうあるべき=観念」という詐(=偽り、嘘、虚言)によって構築してきた「自己欺瞞・自己肯定・自己信条・自己信念」が崩れ、今の「あるがまま・そのまま」で良かったということに救われたということ。すでに救われている自分がそこにいた。

 浅瀬でもがいていましたが、もがく(=自己を探し回ったり、仏法がどうのこうの、真理がどうのこうの、悟りがどうのこうの)のを止めてみたら地に足がついていていました。溺れてはいなかったのです。すでに自身が救われていることを発見したということです。  誰が自身を騙していたかというと正に自分自身が自分自身を騙し続けていたということです。

 それも、「自分かわいい」ですから許してあげることです。よく頑張ってきたねと褒めてあげればいいだけのことです。もうがむしゃらに探究することはありません。浅瀬で遊べばいいだけです。

 脳の条件反射の癖に気づいて見てあげることです。自らが構築してきた「自分かわいい」から作り上げた「概念⇒観念⇒信念」の実体をチェックしていくしかありません。


<注:勝手な個人的な見解の部分がありますので、鵜呑みにせずに仏道修行による智慧によって確証することをお願いいたします。 引用もしくは酷似表現の場合は、タイトル及びアドレスの明記をお願いいたします。

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