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荘子ー17 [荘子]

上古の人には、その知恵が、それぞれに到達するところがあった。その到達したところとは、どのようなものであったか。  最も高いものは「はじめからいっさいの物は存在しない」とするのであって、これは究極まで至りつき、すべてを尽くしたもので、もはやつけ加えるべき何ものもない。

 これに次ぐものとしては「物は存在するけれども、その物には限界ー他と区別される境界がない」というのがある。

 さらにこれに次ぐものとしては「物には限界があり、物と物とを区別する境界はあるけれども、是と非との区別、価値の区別はまったくない」というのがある。

 もし是と非との対立、価値の区別が現れるところまでくれば、道の完全さがそこなわれることになる。

 道の完全さがそこなわれるところ、そこには物に対する愛欲が生まれる。

 ところで、いま道の完全さがそこなわれるといったが、果たして道には完全と毀損ということがあるだのだろうか。

 道に完全と毀損の区別ができるのは、たとえば琴の名手の昭氏が、琴を奏でる場合である。琴を奏でる以前の状態は、まだ道が完全な状態にあるときである。ところが昭氏がいくら多くの音を奏でたとしても、それは琴に秘められた無数の音の一部分でしかない。かれは琴を奏でるという人為によって、無限であるべき自然の道に限定を加え、これをそこなっているのである。

 道に完全と毀損の区別がないというのは、昭氏が琴を奏でないときである。このときは、無限である自然の道が、無限のままに残されているのであるから、完全と毀損との対立もありえない。

「引用:世界の名著 老子・荘子 中央公論社 P183 」斉物論

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①物など存在しない。物という概念は既に無い。主体も客体も、自身も対象も何もかも「空っぽ」。微細では素粒子、極大では全空間、エネルギー、瞬間、意識。(荘子−2参照)

②物(=物質)は存在するが、分離や隔てる境界はなどない。本質は異なる存在ではな同質であるが表面上異なった現れとして認識される。脳が識別できなと生命として生存できない。

③個々に存在しているとしても、生命が勝手に食料としたり危険なものとして忌避している。本質的には是非や価値などない。 参照:一水四見 認識主体によって勝手に価値を付与している。 死に直面している人や幼児とって、ダイヤや金や絵画は価値を見いだす対象となるでしょうか。

④是非や価値を認めれば、それは道から外れている。 私たちが、社会的な「私=自我」だけでしかない存在として、社会的な「私」にこだわって是非や価値だけのであれば万物斉同の道から外れる。社会では是非や価値を認めて分別して生きています。ただ表面上そうしてるということを承知いるかいないかだけのようです。

⑤道が見えなくなってしまったところには、物を所有しようとする執着が生まれる。

 社会的な「私」だけに依存して生活の主導権を委ねてしまうと「自我」に振り回され葛藤(=混乱=求不得苦)に苛まれる頻度が多くなるようです。

⑥道には完全と毀損の区別はない。道は毀損したりつけ加えたり減少させたりはできない。不生不滅・不垢不浄・不増不減

 人為(社会的な「私=自我」)によって、無限なる自然の道(「本来の自己=一なる意識」)を限定した(=固定観念、アイデンティティ)もので現象を捉えて分別してしまいます。分別することで無碍自由な道が限定されてしまう。  分別するということは是非があるということであり、好悪や執着や忌避などの二元対立によって物事が分離されるということです。

    道の完全さ(=分離のない一なる存在、一なるエネルギー、一なる意識=無為)が誰にでもどこにでも知られずに働いているようです。我々はすでに「それ」なのですが、人為(社会的な「私=自我」)のみに委ね没入してしまうと、物欲が優先されて物欲に振り回され苦しむことになるようです。(生活範囲を逸脱してコントロールできないほどの欲望に翻弄される場合、コントロールでき苦しんでいなければ No problem)

 所詮は掴むことも得ることもできない「空っぽ」であり、対象としているものも一時的な所有であるようです。誰もが、永遠不変の社会的な「私」もいないし、永久に所有できる物などないと分かっています。


<注:勝手な個人的な見解の部分がありますので、鵜呑みにせずに実証実験によって確証することをお願いいたします。 引用もしくは酷似表現の場合は、タイトル及びアドレスの明記をお願いいたします。

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鷲獅子のXPERIA

おはようございます。
訪問&nice!ありがとうございます。
by 鷲獅子のXPERIA (2019-09-07 06:36) 

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